キンキーブーツを観た。

面白いネタを提供したり、お客さんが好きそうなダンスや歌を披露したり、言葉遊びをしてみたり、迎合するって事ね。そういう事じゃないんだなって思ったんです。

今日の日記はクソ真面目です。個人的なメモなので流して欲しい。

ブロードウェイのミュージカル、キンキーブーツを観てきました。

元々演劇をやっていたし、学問的にも勉強してたのですがここの所お芝居を観に行って無くて、久しぶりに観たのが今回。

それまでは観るのはアングラだとか多くて、例え商業演劇でもそんなに心を動かされる事はなかったんですけど、今回は違いました。

場所は渋谷のオークシアター。ヒカリエです。

大きな劇場だと思うのですが、四季の劇場よりは小さいイメージだし、例えば劇団キャラメルボックスがやるような三茶のキャロットタワーの劇場とか、青山円形とかよりも突出してない普通なイメージの劇場なんですよね。

それなのに、凄かった。ヒロイン?の女装のお兄さんが出てくるわけですが、その最初のシーンから鳥肌です。理由は音楽と動きと表情とがぴったり合っていたから。それも役者1人じゃ無くて全員の熱量が。これって凄い事です。

普通ならどんなに稽古をしてもムラが出るんですが違った。ある意味機械的といってもいい、でも人間味もある。それが気持ちいいを通り越して何これ?みたいな。ゾワッとしたんだよね。一瞬だけどゾワッとさせられた。

そうすると見入っちゃうよね。一度でも囚われたらもう離したくないわけです。客として貪欲にさせられた。もっと欲しいってなった訳だ。

だから、英語がわからなくても字幕を追わなくても良いかなと、そんな暇あったら目の前の役者の目の動きや仕草を目に焼き付けたかった。

そんな劇でした。あの、お話もとても面白かったんです。でもね、それ以上に技術を感じたんです。頭に何も浮かんでないのに自然と体が震える感じだったし、それで涙が出たんだ。すげーよ。

俺もね、たまに舞台に立つ訳ですよ。役者だったり、女装だったりするけれどね。ともかく立つ訳です。それで、楽しんでくれるお客さんがいる。ありがたい、嬉しいです。

でもね、そういうお客さんにもっともっと凄い体験をして貰いたいとそう思いました。

まだまだ力不足だし、プロのしかもブロードウェイですよ。そんな人たちを見て思うのもおごかましいですけどね、真摯に思いました。

その後に見たさなえナイトのイズミさんのショーでも同じく震えさせられたのですが、同じっていうのも色々アレですが、同じ意味で正直震えました。

もっと頑張らなきゃね。私は何を目指してるんだろうね。

でも、でもね。観てくれる人がいたらさ、自慢をしたい訳じゃないなって、自分が頑張ったのを見てもらって頑張ったねって言って欲しい訳じゃ。言ってくれるのは嬉しいけど、もっと与えたいなって。凄いの見て欲しいなって思った。

そんな舞台でした。

頑張ろう。おやすみなさい。